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高度に成熟した日本経済が迎える新しい局面

 2015/05/06 経済
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ゼロ金利政策とその影響

201505 (3441)1999年に日本は世界で初めてゼロ金利政策を導入した国です。本来のゼロ金利政策の目的は市場金利を引き下げ、それにより投資を活発化させ、円安に振れる効果を期待してものでした。

 

 

そしてゼロ金利以下の金利になる事が出来ませんので、政策金利の引き下げこれ以上出来ない事を意味しています。2013年まで間に短期間のゼロ金利解除は2度ありましたが、いずれの場合も直ぐにゼロ金利に戻している状況で、あまり意味のないものでした。そしてゼロ金利政策の目的でもあった効果は余り発揮されず、デフレは続いたのでした。当初日銀はデフレを警戒しておらず、インフレに誘導する事もありませんでしたが、長引く景気低迷にその立場を変えました。

 

 

日本のような成熟した経済の国家が金融緩和でゼロ金利状態をしても目的を達成出来ないのは何故なのか正確に分析出来る人は殆どいないと思います。今まで考えられてきた経済学の常識とは違う事例であり、日本の経済が新しい局面を迎えていると考えるのが自然だと思います。長引くゼロ金利政策にもかかわらず、預金残高は増え続け、所得は下がってしまいました。

 

結局は金融政策で景気をコントロールする事は限定的であり、ゼロに振ってしまった金利をそれ以下に下げる事が出来ない状況が生まれてしまったのです。アベノミクスで更なる量的金融緩和を行い、インフレ誘導をしていますが、その結果が出るのはもう暫くの時間を必要とします。誰も経験していない経済状況をどう打開するのか注意して見守りましょう。

 

 

日本のバブル崩壊を振り返る

dr (18)1990年代の始めに日本はバブル景気の崩壊を経験しました。その影響で多くの企業が倒産し金融機関もダメージを受けてしまいました。バブルの崩壊は土地の価値は上がり続けるものであると言う土地神話の崩壊が始まりでした。

 

バブル期の日本は好景気に浮かれ世界中を買い漁り、エコノミックアニマルと揶揄される存在でした。

 

この好景気は不動産を転売する地上げに銀行が融資を行い、短期間に巨額の利益を上げると言う中身の無い虚業から生まれました。何も生み出していないにも関わらず巨額の利益が転がり込む事の意味を、その当時の日本人で感じていた人はどれ程いたのか疑問に思います。

 

土地の価値が上がり続けると信じていた銀行は土地を担保にすれば幾らでも融資してくれましたので、購入目的が土地であれば簡単に決済を通していました。

 

そして実際に儲かる事を目の当たりにしていた多くの人達がこの地上げ行為に狂乱していたのです。しかし、この様な虚業には実体経済が伴っておらず、土地の価格上昇が止まってしまえば後は崩れ去るのを待つだけだったのです。バブルが崩壊して多くの負債を抱えた金融機関は狂乱した時代のツケを払わされる結果となりました。

 

この経済的な状況を見ていた筈のアメリカもサブプライムローンでバブル崩壊を経験し、世界同時不況のきっかけを作ってしまいました。結局物を生み出す事がない虚業に多くの人が寄り付いて利益を吸い取る事は、その後の利益の食い潰しをしているだけで、後には大きな負債が残る事を思い知ったのです。

 

 

虚業と実業の違い

0-97資本主義経済で企業は最大限の利益を追求する事が目的となります。バブルの崩壊で虚業の果てに生まれたのは大きな負債でした。

 

虚業とは実体の無い事業を指す悪い言葉ですが、実業に対する反対語として使われる事が多いです。私がここで使う虚業とはある意味ではマネーゲームを意味しています。

 

バブル期に行われた地上げや株式の高騰を狙う仕手筋等は明確に虚業と言えますが、ファンドや投機筋のマネーゲームにもそれを当てはめています。投資そのものを悪だとは思いませんが、巨額の資金を背景にしたファンドの存在は時に驚異的でもあります。その国の通貨を売り浴びせ通貨危機にまで追い込む事が出来るのです。そこで得られた利益を正当なものとして歓迎する気にはなれません。

 

成長が見込まれる企業に投資して利益を受け取る事には何の問題も感じませんが、マネーゲームとして株価を操作して多くの利益を得る手法に何の意味があるのか疑問を持つのです。日本のバブルもアメリカもバブルもこの様な虚業での荒稼ぎが原因でした。時に企業は貪欲に利益を欲しがり、節操もなくそこに群がるのです。

 

そしてその状況に冷静な分析を通して危険であると判断出来る人は少ないでしょう。仮に危険を感じて警告する人がいても、熱狂している人の耳には入らないでしょう。

 

日本は実業を淡々と行う社会であって欲しいと思います。サービス業も金融業も利便性や目的を提供出来るならば実業であると思います。誰かの役に立つ事は重要な仕事だからです。物を作り出して誰かの役に立つ社会は健全であり、子供たちに安心して託すことが出来ると思えるのです。

 

 

少子高齢化が日本経済にもたらす事とは

blog (2466)先進諸外国は概ね少子高齢化を迎えています。経済の成熟と共に子供の出生率は減り高齢化社会となるのは避ける事が出来ないと考えられています。

 

日本では現在60歳を超えた団塊の世代が年齢別人口のピークであり、その後の40代前後の第2次ベビーブームを境に40年も人口の減少が続いている事になります。国の税収は企業と働く人の収入で支えられていますので、人口が減り続ける事は税収が減り続ける事を意味しています。

 

bl (2023)また年金制度は現役世代が支える為、一人あたりの年金負担が増えていく事になります。医療保険や社会福祉制度も同様ですので、若い世代ほど負担増となってしまうのは避けようがありません。

 

多くの税金や年金、健康保険の負担を強いられれば当然生活は苦しくなりますし、将来の設計を考えるのが難しくなるでしょう。更には人口が減る事で日本国内の需要が減る事になりますので、国内向けの産業も衰退していくでしょう。

 

日本の経済にとって少子高齢化は大問題です。

 

良い事が一つもなく子供達に負担を強いている状況を作り出しているのです。若者が夢を見て結婚をして将来の設計を出来る世の中が来るようにして行くのは、国民全てが考える必要があるでしょう。その為には国会議員を通して意見していく必要があると思います。縮小し続けていく経済では未来を描く事は困難ですので、少なくとも景気回復を実現して皆が安心して暮らせるようにしなくてはいけません。

 

自然環境と共に社会環境も後世に負の遺産を残してはいけないのです。

 

 

先端経済の不透明性

000000 (20)現在の日本の経済状況はかなり不透明な部分があります。何故ならばこれまでの経済学で経験をしていない状況に遭遇しているからです。

 

日本の長い不景気とデフレ、そしてゼロ金利状態でしたが、円高でした。一国の通貨が高いという事は相対的に他国の通貨が弱い事を意味します。日本が経済的に他国より状況が良い訳ではありませんでしたので、円高が進んだ理由に良く分からな部分があるのです。

 

またゼロ金利政策をして市場に資金の流動性を確保していた筈ですが、活発な融資は行われず企業倒産は増え続けていました。これまでの経済学の常識や対策がうまく機能していないのは、誰の目にも明らかな状況にありました。

 

000000 (23)成熟した経済がこれから迎えるであろう問題の多くを、日本が先んじて経験していると考えるのは間違いとは言えないでしょう。アベノミクスの政策には色々な意見が飛び交っています。それは単純に経済学を適用出来ない状況に対しての迷いとも受け取る事が出来ます。高度に成熟した経済がどのような状況を迎えて行くのかは誰もわからないと同時にその対処法はまだ発見されていないのです。

 

日本がこの問題に先陣を切っている状況に世界中が注目をしています。それは自国の将来にも関わりますので他人事ではないからです。日本がこの状況を乗り切ることが出来れば、真の意味での経済先進国と言えるでしょう。

 

アベノミクスが歴史に残る偉業となるか、それとも失敗として語られるのかは今の所誰にも判断出来ません。

 

しかし、選挙で新任した我々にはそれを信じて見守る必要があるのです。

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